人気ブログランキング | 話題のタグを見る

梱包も簡単ではありません。

とっても大事な「梱包」に関して・・・。

当社は、様々なものを加工させていただいていますので、梱包にも頭を悩ませます。 バスタブ位の大きさがある真空チャンバーから0.1㎜の薄板、1m位のパイプが突き出た部品、ケーブル類の付いた部品・・・。

梱包も簡単ではありません。_d0174278_9382829.jpg右の写真は、アルミのベース板(2.5㎜厚)から約100㎜の中空シャフトが突き出た部品。
このシャフトは裏側から電子ビームで溶接されているのですが、中空なので荷重がかかれば簡単に曲がってしまいます。

そんな訳で、当社で大活躍してくれるのが、段ボール!
カッターで切れるくせに、写真のように組み合わせると、がっちり荷重に耐えてくれます。
段ボールには折れやすい方向があるので、それを考えて組んであげます。
さらに、この折れやすい方向を互い違いにして貼り合わせると驚く程の強度を見せてくれます。

梱包も簡単ではありません。_d0174278_9533269.jpg
左の写真は、錆びやすい部品の梱包なので、防錆油を塗布してあります。 お客様での使用時には拭きあげて使っていただくように、案内シールを貼付したものです。

梱包の機能を体系化してみると・・・
①内容物の保護 ― 内容物を劣化させる様々な要因から保護する。
②情報提供 ― 包装を見ただけで、内容物に関する適正な情報を得られるようにする。
③取扱いの利便性 ― 運搬時や消費時の取り扱いを容易にする。

「消費時の取り扱いを容易にする」って何???
市販のお菓子袋を想像すると分かります。
お菓子の袋はたいてい膨らんでいます。 不活性ガスの窒素を封入して、お菓子の酸化を防ぐと同時に、膨らませておくことによって、外からの力で中身が割れにくいようにしてあるんですね。 (当社でも製品の変色防止の為に窒素封入したりします。)
梱包も簡単ではありません。_d0174278_12154956.png外の袋は、外気や細菌や光などから中身を守るようなものが使用されたりします。①の機能です。

袋が透明だと、中身が分かりますし、そうでなければ写真で分かるようになっているものがほとんど。 『暴君ハバネロ』なんかは、中身の恐ろしい辛さが存分に情報提供されたパッケージです。 もちろん裏側には、使用されている原材料や賞味期限などが記載されていて、②の機能を発揮しています。

梱包も簡単ではありません。_d0174278_1212260.pngそして③。 たくさんだと持ち運び難いので段ボール箱に梱包されて流通しています。 箱から取り出されて店頭に並びますが、中身が割れないように適度に膨らんだ袋は、買い物時や家での保管時も扱いやすいです。 私の大好きな 『ハッピーターン』なんかは、中の個包装のおかげで、あのおいしい粉(ハッピーパウダーと言うらしい)が手に付かずに済みます。
ねっ、「消費時の取り扱いを容易に」してくれているでしょっ。

だんだん何の記事だかわからなくなってきてしまいましたが、梱包の機能をきちんと理解していると、梱包する時の判断が適正になるんです。 っていう話です・・・たぶん・・・。

当社の部品を振り返ってみれば、
テープの粘着成分で、ビニール袋越しでも変色してしまう表面処理があったり、
熱処理によって錆びやすくなってしまう材質があったり、梱包しづらい形状だったり・・・。

ですので、梱包する時は第一に「①内容物の保護」を考えます。
ですが、やたらと厳重に梱包すれば、経費はかかりますし、お客様が開梱するのも大変です。
ですので、「②情報提供」も加味して考えます。
強度的に弱い部分は「ここを持たないでください」と表示したり、「易損品」のシールを貼付しておきます。

梱包一つとってみても、いろいろと考えなければ適正な品質は維持できません。 (13/02/09 斉藤)
梱包も簡単ではありません。_d0174278_9583086.png

〒400-0064 山梨県甲府市下飯田1-6-2
http://www.nakamura-ss.co.jp/

by nakamura-ss | 2013-02-09 12:50 | 加工事例・技術情報  

<< すごい風でしたね 2月13日 ひずみゲージで調べてみました。 >>